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税務編 平成27年度税制改正大綱について 2015年3月1日
平成27年度税制改正大綱が発表されましたので、主要な改正点について要約して載せます。

★★★所得税関連★★★
1.未成年者少額投資非課税制度(子供版NISA)の創設
 (1)未成年者口座
    証券会社等に「未成年者口座」を設け、その口座内に以下の勘定(非課税管理勘定、継続管理勘定)を
   設定して上場株式等に投資した場合、その上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得は非課税とされます。
 (2)非課税管理勘定
   a)非課税限度額の上限
    非課税管理勘定は平成28年から平成35年までの期間内で毎年80万円を限度として毎年度設けること
    ができます。
   b) 非課税の期間
    (ア)から(イ)までの期間中で生じた有価証券等売却益について非課税とされます。
     (ア) 非課税管理勘定を設けた日
     (イ) 上記開設日の属する年の1月1日から5年を経過する日
       ただし、未成年者が20歳に達した場合は、その達した年の12月31日までの期間
 (3)継続管理勘定
   a) 勘定を設定できる期間
    非課税管理勘定から移管される上場株式等を受け入れるための勘定で、平成36年から平成40年まで
    の各年に年間80万円
を限度として設けることができます。
   b) 非課税の期間
    (ア)から(イ)までの期間
     (ア)継続管理勘定を設けた日
     (イ)その未成年者が20歳になった年の12月31日
 (4)未成年者口座の使途制限
    未成年者口座に投資された資金は、その未成年者が18歳になるまでは災害等の場合を除き、投資以外
   の他の使途のために払い出すことはできません。
    使途制限に違反して払い出しをした場合は、その時に譲渡があったものとして、譲渡益及び配当金額に
   つき15%(他に地方税5%)の源泉徴収が課されます。
 (5)非課税口座(NISA)への移管
   未成年者が20歳になった時、未成年者口座での上場株式等は一般の非課税口座(NISA)に移管すること
   ができます。
2.少額投資非課税制度(NISA)の拡充
 (1)非課税限度額の引き上げ
    各年分の非課税限度額が現行の100万円から120万円に引き上げられます。
 (2)適用関係
   平成28年以降の非課税管理勘定について適用されます。
3.住宅税制の延長
   以下の特例措置について適用期限が従前の平成29年12月31日から平成31年6月30日まで1年6ケ月
   延長
されます。
 (1) 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除
 (2) 特定増改築等に係る住宅借入金等の所得税額の特別控除
 (3) 既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除
 (4) 既存住宅の特定改修工事をした場合の所得税額の特別控除
 (5) その他
4.国外転出をした場合の譲渡所得等の特例
 (1)概要
   居住者が国外転出をした場合は、保有する有価証券等を転出日の時価で売却等をしたものとみなして譲渡
   所得(又は事業所得等)の申告をしなければなりません。
 (2)特例の対象者
   以下の a,b を共に満たす者
   a) 出国時での有価証券等の時価相当額が1億円以上の者
   b) 出国直近10年以内において5年を超えて居住者であった者
 (3)相続時の特例
   株式保有者が国外転出していなくても、相続・贈与等で非居住者に株式等が移転した場合、本特例の対象
   として課税されます。
 (4)適用関係
   平成27年7月1日以後に国外転出する場合等に適用されます。
5.国外扶養親族の扶養控除等に係る改正
 (1)概要
    非居住者の親族について扶養控除、配偶者控除等を適用する場合の要件が厳しくなります。
   a)確定申告時
     親族関係書類及び送金関係書類を添付(又は提示)しなければなりません。
   b)給与等の源泉徴収時
     親族関係書類を提出しなければなりません。
   c)給与等の年末調整時
     送金関係書類を提出しなければなりません。
 (2)親族関係書類
   次のいずれかのものをいいます。
   a)国又は地方公共団体が発行した書類で親族であることを証するもの
     (戸籍の附票の写しなど)
   b)外国の政府又は地方公共団体が発行した書類で親族であることを証するもの
 (3)適用関係
   平成28年1月1日以後に支払われる給与等及び平成28年分以後の所得税について適用されます。

★★★法人税関連★★★
1.法人税率の改正
 (1)法人税率の引き下げ
  a)法人税率が以下のように引き下げられます。
     改正前・・・25.5%
     改正後・・・23.9%
  b)適用関係
     平成27年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
 (2)法人実効税率
    今回の法人税、事業税等の改正により法人の実効税率(税効果を加味した法人税、地方税の合算税率)
    は以下のようになります。
         現行     平成27年度    平成28年度
       34.62%    32.11%     31.33%

 (3)中小法人の軽減税率の特例の延長
    年800万円以下の所得について19%から15%に引き下げられている中小法人の軽減税率の特例は
   2年延長されます。
    同様に公益法人等や協同組合等の軽減税率の特例についても2年延長されます。
2.欠損金の繰越控除限度額の引き下げ
 (1)青色欠損金の繰越控除限度額の引き下げ
   青色申告法人の欠損金の繰越控除限度額が以下のように段階的に引き下げられます。
   a)平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する事業年度
      繰越控除前の所得の65%
   b)平成29年4月1日以後に開始する事業年度
      繰越控除前の所得の50%
   (注)新設法人については設立後7年間は所得の100%を控除できます。
 (2)中小法人等の特例
   原則的には上記(1)ではあっても、中小法人等については従来どおり繰越控除前の所得の100%が控除
   できます。
   (注)中小法人等とは普通法人のうち資本金が1億円以下の法人及び公益法人等、協同組合等をいいます。
3.欠損金の繰越控除期間の改正
 (1)繰越控除期間の延長
  a)青色欠損金の繰越期間が10年(現行9年)に延長されます。
  b)上記欠損金の繰越控除期間の延長に伴い、その適用に係る帳簿書類の保存期間が10年に延長されます。
 (2)適用関係
   平成29年4月1日以後に開始する事業年度において生じた欠損金額について適用されます。
4.受取配当等の益金不算入の改正
 (1)益金不算入割合の引き下げ
  不算入割合が以下のようになり、結果的に引き下げられます。
   @) 完全子法人株式等(株式等保有割合100%)  ・・・ 100分の100
   A) 関連法人株式等(株式等保有割合3分の1超) ・・・ 100分の100
   B) 非支配目的株式等(株式等保有割合5%以下) ・・・ 100分の20
   C) その他の株式等                    ・・・ 100分の50
 (2)一定の投資信託に係る益金算入額の見直し
   a)公社債投資信託以外の証券投資信託の収益分配金については、その全額が益金算入されます。
   b)特定株式投資信託の収益分配金については100分の20相当額が益金不算入となります。
 (3)控除負債利子の計算方法の見直し
   a)上記(1)の(B) 非支配目的株式等と(C)その他の株式については負債利子がある場合の控除計算の
    対象から除外されます。
   b)控除負債利子の計算方法[簡便法]の見直し
    関連法人株式等に係る負債利子控除額の計算の簡便法の基準年度が平成27年4月1日から平成29年
    3月31日までの間に開始する事業年度となります。
5.試験研究費の税額控除制度の見直し
 (1)控除税額の上限を当期法人税額の30%に引き上げる措置は適用期限の到来をもって廃止され、原則ど
    おり20%となります。
 (2)特別試験研修費に係る税額控除制度について各種見直しが行われます。
 (3)試験研究費の総額に係る税額控除制度及び中小企業技術基盤強化税制の控除税額の上限が当期法人
    税額の25%となります。
 (4)繰越税額控除限度超過額に係る税額控除制度が廃止されます。
   (繰越中小企業者等税額控除限度超過額についても同様)
6. 所得拡大促進税制の見直し、拡充
  雇用者給与等支給増加割合の要件について以下のように改正されます。
 (1)中小企業者等
   平成28年4月1日以後に開始する適用年度・・・3%以上(現行5%以上)
 (2)上記以外の法人
   平成28年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する適用年度・・・4%以上(現行5%以上)
7. その他の改正
 (1)地方拠点強化税制の創設
  (A)地方拠点建物等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度の創設
    a)対象期間
     地域再生法の改正法施行日から平成30年3月31日までの間
    b)対象行為
     地方拠点強化実施計画に基づく建物等の取得
    c)優遇措置
    (@)取得価額の15%の特別償却又は取得価額の2%の税額控除
    (A)特定地域から大都市以外の地域への移転等の場合は取得価額の25%の特別償却又は取得価額の
      4%の税額控除
     なお、平成29年3月31日までの間に計画の承認を受けた法人は更なる優遇措置があります。
  (B)雇用促進税制
    一定の要件を満たす場合、最高で以下の金額の税額控除ができます。
    増加雇用者数 × 50万円
 (2)貸倒引当金の特例について
   a)改正項目
    実質的に債権とみられない金額の計算方法である簡便法
   b)改正内容
    基準年度を平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始した各事業年度に見直されます。
 (3)環境関連投資促進税制(グリーン投資減税)
   エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の即時償却制度について、対象資産から太陽光発電
   設備が除外された上、適用期限が1年延長されます。

★★★相続税・贈与税関連★★★
1. 直系尊属からの住宅取得等資金贈与特例
 (1)改正の概要
   a)適用期限が平成31年6月30日まで延長されます。
   b)非課税限度額が下記(2)のように改正されます。
 (2)非課税限度額の改正
  (A)消費税率10%で住宅を取得等する場合
      住宅取得の契約時期       良質な住宅用家屋    左記以外の住宅用家屋
   平成28年10月〜平成29年9月     3000万円          2500万円
   平成29年10月〜平成30年9月     1500万円          1000万円
   平成30年10月〜平成31年6月     1200万円            700万円

  (B)消費税率8%で住宅を取得等する場合
      住宅取得の契約時期       良質な住宅用家屋    左記以外の住宅用家屋
             〜平成27年12月    1500万円           1000万円
   平成28年 1月〜平成29年9月     1200万円            700万円
   平成29年10月〜平成30年9月     1000万円            500万円
   平成30年10月〜平成31年6月       800万円            300万円

   (注)「 良質な住宅用家屋 」とは、省エネルギー、耐震、免震についての一定の等級基準を満たした
     家屋をいいます。
2. 結婚・子育て資金の一括贈与特例の創設
 (1)制度の概要
  (@)贈与税の非課税措置
    直系尊属(親・祖父母)が子や孫に結婚・子育て資金を贈与した場合、受贈者1人につき1000万円まで
    贈与税が非課税とされます。ただし、結婚費用については300万円が限度となります。
  (A)受贈者の年齢制限
    受贈者の年齢は20歳以上50歳未満に限られます。
  (B)申告等の手続
    a)受贈者は本特例を受けるための非課税申告書を金融機関を経由して税務署に提出すると共に贈与
     資金を金融機関に拠出します。
    b)受贈者は結婚・子育て資金に充当したことを証する書類を金融機関に提出し、金融機関はその事実を
     確認し、記録します。
 (2)適用関係
    平成27年4月1日から平成31年3月31日までの間に拠出された金額について適用されます。
 (3)資金管理契約
  a)資金管理契約とは金融機関が結婚・子育て資金を管理するための契約をいいます。
  b)資金管理契約は以下の場合に終了します。
    (ア) 受贈者が50歳に達した時
    (イ) 受贈者が死亡した時
    (ウ) 信託財産等の価値が零になった時
  c)金融機関の書類等保管義務
    金融機関は契約終了の後6年間はこれらの書類等を保存しなければなりません。
 (4)資金管理契約終了時の取扱い
  a)受贈者が50歳に達した場合
    非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額を控除した残額がある場合は、その残額について受贈者に
    贈与税が課されます。
  b)期間中に贈与者が死亡した場合
    非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額を控除した残額について相続税の課税価格に加算されます。
3. 教育資金の一括贈与特例の拡充
  a)特例の適用期限が平成31年3月31日まで延長されます。
  b)通学定期券代、留学渡航費等が教育資金の範囲に含められます。

★★★地方税その他関連★★★
1. 外形標準課税の改正
 (A)法人事業税の税率の改正
   資本金1億円超の普通法人の法人事業税の標準税率が以下のように改正されます。
                           現行       平成27年度   平成28年度以降
    付加価値割               0.48%      0.72%       0.96%
    資本割                  0.2%       0.3%        0.4%
    所得割
      年400万円以下          3.8%       3.1%        2.5%
      年400万円〜800万円      5.5%       4.6%        3.7%
      年800万円超            7.2%       6.0%        4.8%
 (B)地方法人特別税の税率の改正
    資本金1億円超の普通法人の地方法人特別税の税率が以下のように引き上げられます。
                                 現行     平成27年度   平成28年度以降
    基準法人所得割額に対する税率       67.4%     93.5%      152.6%     
 (C)資本割の課税標準の見直し等
  (@)資本割の課税標準である資本金等
    資本金等が(資本金+資本準備金)を下回った場合は、(資本金+資本準備金)の額が課税標準とされ
    ます。
  (A)法人住民税の均等割の基準の見直し
   (a)無償増資又は欠損てん補のための無償減資を行った場合は、その無償増減資の額が資本金等の額に
    加減算され、均等割の税率区分の基準に反映されます。
   (b)資本金等が(資本金+資本準備金)を下回った場合は、(資本金+資本準備金)の額が税率区分の基準
    とされます。
 (D)所得拡大促進税制の導入
   所得拡大促進税制における雇用者給与等支給増加額がある場合、付加価値割の課税標準から控除できる
   とするなど一定の優遇措置が講じられました。
2. ふるさと納税制度の改正
  ふるさと納税制度について、特例控除額の控除限度額を個人住民税所得割額の2割(現行1割)に引き上げ
  られます。
  平成28年分以後の個人住民税について適用されます。
3. 消費税率の引き上げの時期
  (@)消費税率の10%への引き上げの施行日は平成29年4月1日とされます。
  (A)請負工事等に係る適用税率の経過措置の指定日は平成28年10月1日とされます。
4. 電機通信役務に係る内外判定基準の見直し
  (@)電子書籍・音楽・広告の配信等の電気通信回線を介して行われる役務を「電気通信役務」とします。
  (A)電気通信役務の提供に際して、消費税を誰に課すかという「内外判定基準」について、従来の
    「役務の提供に係る事務所等の所在地」から「役務の提供を受ける者の住所地等」に改正されます。
  (B)事業者向け電気通信役務の提供に係る課税方式として「リバースチャージ方式」が導入されます。
5.財産債務明細書の見直し
 (1)名称の変更
  「財産債務明細書」から「財産債務調書」へと名称が変更されます。
 (2)提出基準の見直し
   その年分の所得金額が2千万円超、かつ以下の(a),(b)のいずれかの要件を満たすこと。
   従って、従来より提出義務者の範囲が狭められることになります。
   (a)その年の12月31日時点で有する財産の価額の合計額が3億円以上である。
   (b)国外転出をする場合において12月31日時点で1億円以上の譲渡所得特例対象資産がある。
 (3)記載事項の見直し
   「財産の種類、数量及び価額」のほか、財産の所在、有価証券の銘柄等、国外財産調書と同様の事項を
   記載しなければならなくなります。
 (4)過少申告加算税等の特例
   財産債務調書の提出の有無等により、所得税又は相続税に係る過少申告加算税等を5%加減算されます。
 (5)適用関係
   平成28年1月1日以後に提出すべき財産債務調書について適用されます。
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